2008年11月22日
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世田谷区立郷土資料館・特別展「漢詩人岡本黄石の生涯 第三章-三百篇の遺意を得る者-」

Written By: 川俣 晶連絡先

 今日は、時間がまるで無いので、近場の世田谷区立郷土資料館へ行ってきました。

 特別展の展示室では足りず、常設展の一部を撤去して特別展「漢詩人岡本黄石の生涯 第三章-三百篇の遺意を得る者-」をやっていましたが、行ってみると明日、明後日は休みだったので今日にして良かったとヒヤリとしました。

 ちなみに、休館日は「毎週月曜日・国民の祝日(月曜日が祝日の場合はその翌日も休館となります。)・年末年始」です。世間のこの手の施設は、祝日の場合は「開く」が多いのですが、ここは逆になっています。

世田谷区立郷土資料館

岡本黄石とは誰なのか? §

 漢詩は分からないので雰囲気だけ見てきました。

 岡本黄石とは何者か全く知りません。そういう相手を見に行く方が楽しいのです。

 しかし、いざ行ってみると興味深い人物であることが分かりました。

 漢詩の詩人だと思ったら大間違い。

 幕末期の彦根藩の家臣で、尊皇攘夷を進言したり、長州征伐の指揮を執ったり、政治的軍事的な存在感も大きな人物です。

 少し長くなりますが、特別展のパンフレットから引用します。

 星厳は、「大序」の述べるが如く、詩というものが美辞麗句を並べた絵空事ではなく、これによって人を教化・育成し、政治が正しく行われるように導くものではければならないと考えていた。つまり、「三百篇の遺意を得る者」という星厳の言は、黄石の詩作の才ばかりでなく、人物そのものを称える最大級の賛辞でもあったのである。国の為、藩の為を思い、国字に奔走したにも拘わらず、何ら報われることもなく、正解から身を引いた黄石は、残りの後半生を在野の一漢詩人として過ごした。

 漢詩人だと思えば縁遠い存在ですが、こうして見ると今の日本の過去に直結する人物であることが良く分かります。